My Life
with a suits
僕は今日、大人になった。
成人式の夜、
下ろしたてのスーツを着て
父さんと歩く、雨上がりの街。
男同士って感じで、いつもと違う気分。
生地を決めるのにかなり時間がかかったけど、
ネイビーのネップ生地は選んで正解だった。
裾のターンアップは父さんのアドバイス、
ジャケットの裏地は僕の好きな柄にした。
イニシャルの刺繍も入れてもらったし、立派な僕の一生ものだ。
大事な事はとことん悩んで決めろって、いつも言ってた。
心から満足するものを選んだら、
未来の自分が褒めてくれるんだって。
僕にはその大切さを教えてくれた人がもう一人いる。
彼は父さんの親友。
音楽話ではしゃぐ二人はいつも
楽しそうで大好きだ。
歳をとっても変わらず刺激しあう二人の会話は
色褪せない昔の音楽のように、
僕にはいつでも新鮮に聴こえる。
「俺の分身。」
とか言って、着せてくれたジャケットは
二十歳の時仕立てたものらしい。
僕にぴったりのサイズに仕上がっていた。
懐かしそうに眺める二人から、僕が知らない思い出話がどんどん溢れてきた。
30年分のストーリーが詰まったこの服は、今日から僕の一部になっていく。
新品も良いけど、お下がりも悪くないよ。
大事な時に、この服が助けてくれそうだしね。
今日からこの服は僕の分身。
何度も修理して大事に育てていくよ。
いつかぼくの息子に譲る日が来るかな。
そんな日がきたら、またみんなで集まろうよ。
Life with
great clothes
良質な服に纏われた
喜びある人生を
スーツを生んだヨーロッパには、「服は人を作る」ということわざがあるほど、豊かな人生に洋服は欠かせないものです。その思いを元に、私たちは最高の品質を求め時間をかけてハンドメイドの洋服づくりを行ってきました。
既製服にはない、自分のためだけにつくられたオーダースーツを纏う喜びは唯一無二。同時にそれは作り手にとっても至高の喜びです。職人ならではの技術や工夫、そして細やかな配慮がディテールの隅々に息づくマルベニのオーダーメイドをぜひお楽しみください。